知ってて得するミラーの基礎知識

知ってて得するミラーの基礎知識


ミラーの種類

いろいろな種類のミラーの中正確に映す力に富み価格も一番安価なのがガラス製ミラー ガラス製ミラー、ステンレス製ミラー、プラスチック製ミラー、ビニール製ミラーなどがあります。
ガラス製ミラーは、正確に映す力に富み価格も一番安価ですが、重いのと強い衝撃を加えると割れてしまいます。
ガラス製以外のミラーには、軽くて割れにくいという利点がある一方、映り方はガラス製ミラーには敵いません。

ガラス製ミラーの厚み

一般的なガラス製ミラーの厚みには次の種類があります。

 5ミリ

 4ミリ

 3ミリ

 2ミリ

 薄板

厚みがあるほどゆがみも少なくなりますが必ずしも品質には直結しません。5ミリ厚ミラーと4ミリ厚ミラーとでは1ミリの差ですが映り方はほぼ互角です。 3ミリ厚ミラーは、手鏡や卓上鏡など比較的面積の小さい品に使います。軽くて持ち重りしないことと、顔を近づけて使う場面が多いのが理由です。逆にウォールミラーなど面積の広いミラーでは、ゆがみが目立ちますので不向きです。
2ミリ厚ミラーは拡大鏡で使用します。
薄板はとても特殊で化粧用コンパクトなどで使われています。

面取り加工について

面取りとはミラーの周囲を斜めに削って磨いた加工のことで、主な加工幅は次の通りです。

ミラー単体糸面取り仕上げ テーブルトップ仕上げ

幅は1ミリ程度の極細で磨き加工はしていません。

別名「糸面取り仕上げ」と言います。


ミラー単体取り付け面仕上げ 取り付け面仕上げ

幅は2~3ミリで磨き加工をして仕上げています。

3ミリ厚ミラーは、この取り付け面仕上げまでなら加工が可能です。

ミラー単体三分面仕上げ 三分面仕上げ

約9ミリ幅の加工で磨いて仕上げます。

ミラーに引き締まった印象と立体感を与えてくれる面幅です。

ミラー単体八分面仕上げ 八分面仕上げ

約24ミリ幅の面取り加工で磨いて仕上げます。

フレームの掛かり幅が5ミリでも、約2センチ程度は面取りが見えますのでフレームミラーの時に用いる仕上げです。

ちなみに、面取り加工は昔式の尺貫法で呼んでいます。

ゆがみの原因

原因は、ミラー自体の品質不良とミラーのよじれによるゆがみとが考えられます。
ミラーのもととなるガラスは、珪砂という砂を高温で溶かして錫溶液の上に浮かべて板状にすることにより造られます。
価格を安くしようとすると、どうしてもこの製造過程が乱暴になり結果ガラスの表面にさざ波が生じてゆがんでしまいます。
ミラー自体に品質不良がなくても、ミラーがフレームや壁のよじれに負けてしまうとゆがみが生じます。

ミラーの品質

ミラーの品質は映り方と耐久性で決まります。
映り方の品質については、「ゆがみの原因」で説明した通りです。
ミラーはガラス板に硝酸銀メッキを施したものですが、ただメッキした状態ではすぐにはがれててしまうのでコーティング加工をします。耐久性はこのメッキとコーティング加工によって決まりますが素人の方では見分けられないと思います。

ミラーの劣化

ミラーも長年月が経過すると劣化してしまいます。
劣化の速度は、使用環境や個体差により変わりますが目安は10年です。
黒い斑点ができたり靄がかかったような状態は劣化の証拠です。
ちなみに、イタリアでは敢えて劣化したようなミラーを使うことがありますが、アンティークという側面からは劣化したミラーも悪くはありません。
なお、劣化したミラーの修復はできません。
岡本鏡店直輸入のアンティークスタイルミラーイタリア製アンティークミラー

アンティークミラーを敢えて使用したイタリア製ウォールミラー

うろこ汚れ

ミラーのうろこ汚れの状態 うろこ汚れとは、水分が付着することによりガラス表面が一種の化学反応を起こして劣化した状態のことです。
いろいろ掃除用具もあるようですが、やってもあまり効果はないと思いますので新しいものと交換することをおすすめします。
岡本鏡店ではミラー単体の製作も承っています。

お手入れの方法

ガラスクリーナーでお掃除して下さい。この時直接ミラー面にスプレーするのではなく、ふき布になじませるのがポイントです。
水拭きは、表面に水垢が残ってしまいますのでおすすめはできません。

インテリアとしてのミラーの効果

ミラーにはひとを映して使うという実用品としての側面と、空間に広がりを与えたり明るさの演出というインテリアとしての側面があります。
「大きなミラーは圧迫感があるのでは?」とたまに聞きますが、大きければ大きいほど反対側を映す面積が増えるので逆に開放感が得られます。

選び方のコツ

リビングルームに取り付けたベネチアングラスミラー 選ぶ際のコツは、先ずご自身がお持ちのミラーに対するイメージを捨てることです。先入観を捨てることにより広い視点で選べるようになります。
ふたつめは「少し派手かも、、」と感じるくらいのミラーを選ぶこと。ミラーは実に控え目でおとなしインテリアで、ほとんど自己主張をしないと言っても差し支えないほどです。ですから多少派手に感じてもすぐに空間になじんでしまいます。
最後は大きさ。取り付けられる空間させあればできるだけ大きいミラーを選ぶことです。空間に広がりと明るさを与えてくれますのでおすすめです。

取り付けにふさわしい場所

廊下に取り付けた岡本鏡店オリジナルシンプルミラー 玄関は最も多くの方が希望される場所です。玄関を明るく広く演出することにより出入りの際に気分も揚がりますし身だしなみのチャックにも役立ちます。 その他、リビングや寝室、ウォークインクローゼット等もおすすめです。
日本では、昔ミラーに布をかけておく習慣があったせいか、常にものが映っている状態を恥ずかしく感じてしまう方が今でもいらっしゃいますが、先にも説明しました通りインテリアとしてのミラーの効果は絶大ですのでもっと楽しんでもらえればといつも願っています。

取り付けの方法

最近の建物は壁材に石膏ボードを使うことが一般的です。石膏ボードは難燃性ですので火災の際に燃えにくいという利点がありますがネジをねじ込んでもすぐに抜けてしまいます。でもそれなりに細工することにより取り付けは可能になります。
詳しくは、取り付け方アドバイスをご覧下さい。

取り付け方アドバイス

大きく映るミラー

大きく映るミラーのことを「拡大鏡」と言います。よくムシメガネやルーペと勘違いされる方がいらっしゃいますがこれらはガラスであり鏡ではありません。
平板のミラーをくぼませて凸側をメッキしてつくります。拡大鏡の品質はくぼませ方で決まります。雑につくると、くぼみがいびつになり焦点がまともに合わなくなります。
拡大鏡には拡大率があります。詳しくは拡大鏡のページで説明していますが、ネット通販商品の中には10倍とか20倍とかミラー専門店としては全くあり得ない倍率を謳っているものがありますので数字に騙されないようにお気を付け下さい。
ちなみに、岡本鏡店の拡大鏡は世界トップレベルの品質を誇っていますので多くのラグジュアリーホテルで採用されています。
商品写真をタップ、クリックして岡本鏡店の拡大鏡をご覧下さい。

ラグジュアリーホテル御用達のwindisch社製超高級高品質拡大鏡超高級電池式バッテリーミラー

ミラーの神秘性

人形などと同じように長年使って古くなったミラーの処分をためらう方は非常に多いようです。長年自分を映し続けてきたものに対し愛着と霊的なものを感じるからでしょう。 また、古来よりミラーが特別な「もの」であったことも事実で、神社のご神体になっていたり皇室に伝わる三種の神器の中にも鏡があったりします。このように日本人は鏡に対し特別な感情を潜在的に持っているのでしょう。
ミラーは割れ物でもありますので大切に扱いましょう。

風水鏡について

よく問い合わせがある「玄関に丸や八角形の鏡を吊ると家運や金運が上昇する云々...」といったことは現実的にはありえない話で、ただの迷信と言えるでしょう。ただし「信じるか信じないか」はご本人しだいですので、玄関に風水鏡と称するミラーを取付けられることに異を唱えるものではありません。しかし、ミラー専門店としては、販売者に風水の知識もなくまた信じてもいないのに、販売方法としてのみ「家運隆昌、金運上昇」を口実にしてはならない、と考えています。また逆説的には「家運がよく、金運のある人」は風水鏡など必要なく突き詰めて考えると人の不安心理に付け入る霊感商法の一種であるともいえるのではないでしょうか。以上の理由から、正直をモットーとする岡本鏡店では「風水鏡」と称する鏡は一切販売していません。

施工業者さん紹介(東京23区・神奈川)

ミラーの取付業者さん紹介サービス


岡本鏡店でミラーの購入をご検討中のお客様に耳寄りな情報です。
首都近郊(東京都23区、神奈川県)のお客様に、ミラーの取付業者さんを紹介できるようになりました。
詳しくは岡本鏡店まで直接お問い合わせ下さい。

電話 075-343-0550

営業時間 10時~6時 水曜定休



O様邸ミラー取付工事

施工事例 O様邸 東京都世田谷区



岡本鏡店では、ミラーの施工業者さんの情報を募集しています。
「こんな工事店さんで取り付けしてもらいました」、「とっても上手に工事して下さいました」など、情報をお待ちしています。



岡本鏡店でもお買い上げ品の取付工事は承っております。京都近郊のお客様はお気軽にお問い合わせ下さい。

M様邸ミラー取付工事

施工事例 M様邸 滋賀県大津市

イタリア買い付け旅行記2014

鏡専門店岡本鏡店のイタリア買い付け旅行記2014
鏡専門店岡本鏡店のイタリア買い付け旅行記2014
今回の旅程は、6月15日(日)から6月22日(日)までの8日間。、Milano、Brescia、Treviso、VeneziaMestre、そしてVeneziaと5つの街を巡るかなりハードな旅でした。納得のいく品物を求め、10社以上を訪問し現地で買付けをしてきました。

イタリアに向け出発。KLMオランダ航空。 今回はKLMオランダ航空を利用することにしました。出発時間が10時35分と午前中だということとスキポールでの乗り換えもスムーズで現地には夕方に到着できるからです。スキポール空港は国際空港ですから規模は大きいですが、思うにわりとコンパクトにできているので、フランクフルトのようなとてつもなく時間のかかるターミナル間の移動は不要です('14現在、フランクフルトが今どうなっているかは知りませんが。。)。で、イタリアミラノはリナーテ行の便に乗り換えて、夕方6時30分ごろランディング。
ミラノ中央駅と投宿先のホテルamadeus

リナーテ空港到着後は、中央駅直行のシャトルバスに乗車。毎度の事ですから特に迷うこともなく無事中央駅に至りました。上の写真は歴史を感じさせる中央駅。下は投宿先のホテルです。

中央駅からブレーシアへ

16日、いよいよ本格的な買付旅行の始まりです。ミラノ中央駅午前8時35分初ヴェネチア行の特急列車に乗り、最初の目的地「ブレーシア」に向けいざ出発。上の写真は中央駅の電光掲示板です。因みに右側の表示は「出発」、左側は「到着」で、日本にはない表示方法ですから初めて旅行する人はご用心。なお、ここからは企業秘密を多く含みますので訪問先には触れられません。悪しからずご理解の程を。
ガルダ湖 サロ

ブレーシアで一仕事終えた後、少し時間があったので以前から行ってみたかったガルダ湖に向かいました。行先は「SALO」と言う町。湖畔の高級リゾート地でドイツ人もよく訪れる様です。しばしの間散策しテラスで一休み。一人旅は気楽でいいですがこういう地にはやはり誰かと来たいものです。下の写真はブレーシア駅。14時53分初の列車に飛び乗ったはずが、時計の示す時間はなぜか15時5分。どういうこっちゃ?
ヴェネチアメストレからトレビーゾへ

その後列車はヴェネチアへ向けひた走り、ヴェネチア手前のメストレ駅でいったん下車し、ローカル線に乗り換えてトレビーゾへ。
trevisoのホテルContinantal

夕方、ようやく宿泊先ホテル「Continantal」に到着。ツインルームをシングルユースですからかなり快適でした。ただ、WiFiがいまいちで少し難儀しました。

トレビーゾの街並み

皆様は、トレビーゾという町をご存知ですか。いわゆる観光都市ではないので日本人には馴染みのない町だと思います。ベネチアの北30kmに位置する城塞型の都市です。こじんまりとまとまっているので地図を片手に散策するには打って付けです。何よりも有難いのは物価が安いこと。ミラノやヴェネチアのような超有名都市の場合何かにつけて高額。例えばビール1杯でも、まあ5ユーロは下りません。以前フィレンツェで飲んだ時は確か20ユーロくらいとられました。
トレビーゾのカフェにて。

という訳で、今夜もカフェで夕食。カフェ真向かいにあるテラスレストランを横目で見ながら、ひとりスプリッツで乾杯。吉田類ではありませんが、この瞬間がたまりません。イタリアの友人に聞いたのですが、トレビーゾは白ワインが特産品なのだとか。一般的な白ワインに比べ度数がきついため、炭酸水で割って飲んだのがスプリッツの由来だそうです。
試作段階のミラー

せっかくですから、少しだけ企業秘密をご披露。上の写真は試作段階のウォールミラーです。ミラーはまだはめ込んでいません。ガラス製です。重量対策や吊り金具についてもう少し工房と打ち合わせが必要。見た目はよくわからないでしょうから今は「なんじゃこりゃ?」ってところでしょうか。
ベネチアのホテル La Forcola

数日間お世話になるホテル。とにかく狭い。快適とは言えませんがWiFiは申し分なし。このホテルは、ベネチアサンタルチア駅から徒歩10分と至近な位置にあり、北に向かって10分程度歩けばムラーノ島へ直通する水上バス(ヴァポレット)に乗船できる、私にとっては絶好のロケーションです。
ムラーノ島への通勤(?)路

先に「ムラーノ島へ直通する水上バス(ヴァポレット)に乗船」と書きましたが、ベネチアへやってきた目的は「ムラーノ島」での買い付け。ムラーノ島は「ベネチアングラス発祥の地」ともいえる岡本鏡店にとっても非常に重要な買付けの拠点です。ホテルを8時前後に出発し上の写真のような路地を通り抜けて水上バスのポートに至ります。この間およそ10分。で、下の写真の船着き場に到着です。ちなみにこの船着き場の名前は「ORTO」。観光客で賑わうS.Marcoのようなメジャーな船着き場ではありませんので人影もまばら。

ムラーノ島への通勤(?)路

ヴァポレットから洋上を望む

ヴァポレット(水上バス)から見た風景です。S.Michele島の次がMuranoColonnaでここで下船。イタリアへ到着した時は随分と涼しかったのですが、ベネチアでは日に日に暑くなりました。海風は心地よくないし日差しは強い。しかも少し蒸します。工房では色々と交渉事もあるしそれなりに気を使う。足の裏にまめはできるし、もうヘトヘトになります。

ムラーノ島のバール

喉の渇きと空腹を癒すために立ち寄った小さなバール。お薦めの店ですのでよかったらどうぞ。私も何度か行きました。MuranoMuseo(ポートの名前)近くにあるcoopの奥です。

ムラーノ島の表通り

以前も書いたことがありますが、目抜き通りというか表通りに密集しているショップは大概小売店ですので、この中から工房を見つけるのはなかなか大変です。もちろん値段も小売価格ですし、こういうショップから仕入れる訳にはいきません。ここからが「腕の見せ所」と言うと少々恰好を付け過ぎかもしれませんが、上手く糸を手繰り寄せて工房を見つけていきます。「糸の手繰り寄せ方」は企業秘密。ちなみに工房は下の写真のような人目に付かない路地の奥などにあります。当たり前の話ですがここは「他人の家」ですので、理由もなく入り込むと必ず咎められますからご注意下さい。

工房の在り処

とあるベネチアングラスの工房

上の写真は某工房の中。今回は職人さんと色々打ち合わせをして特注品を何点か注文しました。製作に2ヶ月を要するとのこと。7月終わりから1ヶ月程度現地は夏期休暇をとりますので、、、と考えると入荷は秋の終わりごろかと。。。

よく通ったホテル近くのバール

「現地から直接仕入れる」ということは、「商品を直輸入する」というだけではないと私は考えています。日本人に気質があるように、イタリアにもイタリア人気質というものがあるはずで、この気質が上手く理解できないと肝心なところで意思の疎通が図れず、結果的に「良い品」が仕入れられないことになると思うのです。ベネチアへ行けば、海沿いにテラスを擁した素敵なレストランが点在していますし、優雅に非日常を味わうこともまた旅の醍醐味だと思います。ただ、私はこういうレストランを敢えて避け、地元民が通うバールを選んで食事をとるように心がけています。言葉は通じにくいですがコミュニケーションは図れます。今回も一軒行きつけの店(?)を選び、毎日通い地元のオッチャン達と楽しくお酒を頂きました。ちょうどこの時はワールドカップのイタリア戦があり、店内のテレビでも中継していました。結果的にはイタリアの負け。でも、観戦中も皆さばさばしていて日本のように大きく一喜一憂することがないあたりには「大人」を感じました。


ベネチアの市場

せっかくですから、もう少しベネチアのご紹介。私が宿泊した場所は「マルクオーラ」という船着き場の近く。ベネチア本島の中心がサンマルコ広場周辺なら、宿泊した辺りはさしずめ下町といったところでしょうか。果物や野菜を売る露天市場やスーパーマーケットがあり生活の匂いが漂っているもう一つのベネチアの「顔」です。


鉄道駅近くの橋、グリエ橋

市場街を抜けしばらく歩くと、鉄道駅へつながる橋「グリエ橋」が見えてきます。


ベネチア マルコポーロ空港

帰国の時が訪れました。ベネチア本島からマルコポーロ国際空港行の直通水上バスを利用。電光掲示板に「10:31」と見える写真はチェックインの様子。もう大混雑、というよりも大混乱です。この人たちは整然と並ぶということを知らないのでしょうか。もっと整理すれば時間も短縮できるはずなのに、この混沌とした状態は私にとってはかなり不思議です。まあ、これが人間なのかな、と思う反面、日本人の優秀さを実感しました。


悲鳴を上げたスーツケース

旅にはトラブルが付き物。ベネチア島内の長距離移動は古いスーツケースにはきつかった。ついに車輪のひとつが悲鳴を上げ脱落。これはえらいことになったと慌てましたが、破損したのが幸いなことにベネチア空港の敷地内。それでもしばらくは重いケースを担ぐ破目になりました。


関空へ到着

6月22日(日)朝8時40分、無事関西国際空港に着陸。あいにく大阪は雨模様。緊張からの解放と長旅の疲れから一気に体から力が抜けた感じでしたが、成果のある実り多き買付け旅行でした。なお、今回の買付け品は2014年秋から来春にかけて徐々にお目見えすることになるでしょう。乞うご期待。

鏡専門店岡本鏡店のイタリア買い付け旅行記2014

ベネチア旅行記

鏡専門店岡本鏡店のベネチア旅行記
鏡専門店岡本鏡店のベネチア旅行記
いよいよベネチアに向け出発
いよいよベネチアに向け出発です。写真はミラノ中央駅。ベネチアへは陸路列車の経路と飛行機によるアプローチとがあります。空路の場合マルコポーロ空港にランディングしますが、ベネチアまでは高速船で約1時間と少し距離がありちょっと不便です。通常は電車で向かいます。切符は構内の券売機で購入。うまく買えないこともありますがそんな時は焦ってはいけません。大概の場合は券売機の故障ですから。ミラノ、ベネチア間は、特急列車で2時間半程度。早朝の出発です。
もうすぐベネチア
途中Brescia駅に停車。ベネチアに近づくにつれ、景色も変わっていきます。
ベネチアに到着
水の都、ベネチアに到着。ベネチアは、もともと土砂の堆積により形成される「潟」の上にできた街で、本島中央には大きな運河がSの字に伸びています。見るからに風光明媚でたまに訪れると確かにいいところですが、地盤沈下や人口流出、或いは温暖化の影響による海面上昇など、様々な問題を抱えていることも事実のようです。列車の終着駅「サンタルチア」駅で下車した後は、大運河を船でサンマルコ広場まで。
サンマルコ広場へ
サンマルコ広場、ではありません。サンマルコ広場の近くです。下の写真に見える正面の建物を右に曲がりしばらく歩くとサンマルコ広場です。
サンマルコ広場へのアプローチ
サンマルコ広場へのアプローチ。回廊のような造りで、たくさんの土産物屋さん、宝飾品店、カフェなどが軒を連ねます。本気で買い物をする気なら、2時間くらいはあっという間に過ぎてしまうでしょう。
ムラーノ島へ
サンマルコ広場を離れ、再びバポレットに。ムラーノ島へ。
ムラーノ島へ到着
ムラーノ島へ到着。早速目指す工房に向け移動開始。途中バーに立ち寄り喉を潤す。
取引先のベネチアングラス工房
取引先のベネチアングラスミラー工房。中は整理が行き届いていて清潔です。ご覧の通り完全ハンドメイド。「ベネチアングラスはベネチアに行けば買える」のは当然のことですが、目抜き通りに立ち並ぶショップは殆どが小売店で製造はしていません。ベネチアは分業制度が隅々まで浸透しているので、工房が直販をしていることは稀です。また、路地の奥の方にしか工房はありませんので、人眼にもつかないという訳です。因みに小売店で買うベネチアングラスは、品質は兎に角、価格は正直なところ安くはありません。中国人のような強かな交渉術と、良い品を見抜く眼力を持ち合わせないと高い品を売りつけられるだけ、というのが私の感想でしょうか。
取引先のベネチアングラス工房
ガラスを削り模様を付けている光景です。写真では分かりませんが、まさに神業、職人技です。これは感動しました。模様を付けた後、透明のガラスを硝酸銀でメッキし鏡に仕上げます。同じものは世界に二つと存在しません。
ムラーノ島を散策しつつ、、、
ムラーノ島を散策しつつ次の訪問先へ。途中オープンテラスで昼食。サンドイッチとビール。ベネチアは、一部の島を除いて、自動車、自転車は乗り入れられません。それもそのはず、物凄く細い路地といたるところに見られる運河、それから階段。これではとても乗れません。移動は徒歩、または船に頼るのみですから少し不便ですが、反面交通事故とは無縁の世界。安心して歩けるからうれしいです。
品定め中
次の工房での品定め。ごめんなさい、買付中は殆ど写真撮影の機会がありません。
これが炉です
上の写真は工房。下の写真は炉です。目抜き通りから細い路地に入り、奥へ抜けると少し広場になっていてこういうところに工房があります。でも、勝手に入る訳にはいきません。紹介や工房との面識がないとなかなか内部へは入れてくれません。
すさまじいオブジェ
凄まじいオブジェです。ベネチア本島やムラーノ島の店先に並んでいたり、日本で見かける所謂ベネチアングラスは、「かわいくて、楽しくて」、精々「少し奇抜」程度のガラス製品ばかりです。ですが、私は思うのですが、お金儲けではなく、何かを表現したいと欲する一人のガラス職人が追い求める真のアートとは本来極めて人間臭く、魂の奥底から湧き出でてくる熱く沸騰したパッション(情熱)の塊のようなものではないでしょうか。そして、実際は彼らが本当に作りたいものだろうと、今回の旅ではつくづく感じさせられました。「これこそが本当のベネチアングラスアートだ」と感じたので、買付を敢行しましたが、様々な事情により断念。写真にだけは収めてきました。
帰路につく
暮色漂う中、沢山の仕入れと思い出を胸に、帰路ミラノへ向け出発。いろいろな勉強をさせてもらった旅でした。

鏡専門店岡本鏡店のベネチア旅行記

イタリア買い付け旅行記

鏡専門店岡本鏡店のイタリア買い付け旅行記
鏡専門店岡本鏡店のイタリア買い付け旅行記
イタリアに向け出発。アリタリアは使わずにルフトハンザで。 いよいよ出発。今回はアリタリアを使わずにルフトハンザ航空でのフライト。だからフランクフルトで乗り換えあり。前回の出張時は、乗り換え便に乗り遅れるハプニングがあり、空港で5時間足止めを食らう破目に。今度はうまく乗り継がないと。。
フランクフルト空港に到着。今度は乗継もスムーズにいきました。
前回の乗継ぎ失敗の原因は、日本、フランクフルト間の国際線が遅れたこと。セキュリティーチェックが異常に厳しかったこと。それから、このフランクフルト空港の乗り継げターミナルがとんでもなく遠かったことにあります。航空券の手配やホテルの予約など、ツアー会社に頼らず全て自分でしていますから、融通はすごく利くのですが、反面ハプニングに見舞われた時は全て自己責任。厳しいです。今度はうまくいきました。
ミラノ リナーテ空港へ到着。
ミラノ リナーテ空港へ到着。普通はマルペン佐空港ですが。。バスで市内へ、30分ほど。リナーテは市内に近いので好都合です。
ミラノ中央駅
投宿先は、ミラノ中央駅の小さなホテル。繁華なデュオモからは少し離れているので、観光客にはあまりなじみのない地域です。いかがわしい店も多数あったりするので、日本人の姿もまばら。
投宿先に到着
ホテルに到着。お疲れ様でした。このホテルは、ビルの一フロアだけというとても小さな規模です。エレベーターも何故かレトロ。鉄の扉を自分で開き、カゴの木製扉をもう一度開いて中へ。鉄の扉を閉めて、カゴの扉を閉めて生き先ボタンを押す。なんかとても煩雑ですけど、いい雰囲気です。写真はまさに今乗り込む瞬間です。
ホテルの入り口と室内
ホテルの入り口と室内の写真です。何にもないけど快適です。
ホテル室内から見た外の様子
室内のバルコニーから見た外の様子です。写っている車は駐車車両。でもこの辺りは駐車禁止なんですよね。よく見ると同じ車が写っているでしょ。「どういう国かな。。」と考えてしまいます。
活動開始。中央駅を離れミラノ中心部へ。
活動開始。ミラノ中央駅を離れ中心部へ。今回の旅の目的は、ミラノで開催される見本市の視察と、ミラノ市内にある仕入れ先の訪問。それからベネチアでの商品買い付け。まずは見本市視察。
見本市の会場風景
見本市会場のブース。奇抜なベネチアングラスやエレガントな家具が多数展示されています。今回は見本市はあくまでも視察が目的。ほとんど買い付けはしませんでしたが、それでも3社ほどは商談成立。基本的にパビリオン内は無断撮影厳禁。また、企業秘密もありますので、見本市についてはこのくらいにして。
見本市の会場風景
写真の奥にみえるのは会場内のカフェテラス。
ミラノ市内のBar
一日の疲れを癒してくれるのは、何と言っても夕食とお酒。写真はミラノ中央駅付近のBar。大体こういうところで食事をしています。どこの国だったか忘れましたが、釣銭をごまかされたので文句を言ったら、物凄い剣幕で睨みつけられました。ちゃんと釣銭は取り返しましたが。。おお怖わ。
Duomoにて
Duomoのオープンテラス
ミラノ中心部の”DUOMO”です。観光客のメッカのようなところですので、オープンテラスのレストランにも日本語メニューを取り揃えている店が多数あります。最近では韓国語、中国語メニューも用意している店が多くなりました。十数年前では想像できないことです。
Duomoの内部
Duomoの内部
荘厳なDUOMOの中。地元の人や訪れた旅人が敬虔な祈りを捧げていました。本当に神聖な世界です。で、あまり仕事の写真が出てこないのですが、実はほとんど写真撮影は出来ていません。打ち合わせやら価格交渉やら色々ありますので、写真撮ってる余裕というか暇がないんです。何だか遊んでるみたいですけどそうじゃあないんですよ。
ミラノ市内
ミラノ市内
ミラノ市内のオープンテラス。この日は持ち合わせがあまりなかったので、高価な店は避けて小さなバーで昼食を。イタリア語は殆ど分かりませんのでこういう店に入ると苦労します。なぜって店員も英語が分からないからです。こうなれば勘と僅かな知識が頼り。リゾットと書かれていたので、「これなら」と思い注文しました。結果出てきたのは下の写真。ただの白米を湯で蒸らしたようなご飯でした。味も何もしません。仕方がないので、塩とオリーブオイルで食べました。。。
遊んでるんじゃあないんです。それを証明できるのは、
  ベネチア探訪記 ←クリック
です。
ミラノ市内
トラブル発生。アイスランドの火山噴火により飛行機が全便運休に。。日本に帰れない。。これから先は写真が殆どありません。航空チケットの再ブッキングや、自店とのやりとりにてんやわんやで余裕がありませんでした。とにかく一日も早く日本に帰らないと仕事に大きな影響が出ます。旅行会社がまとめてブッキングしてしまう前に、空席を見つけて潜り込まないといけません。なかなか緊張を強いられる仕事でした。

鏡専門店岡本鏡店のイタリア買い付け旅行記

ページトップへ