知ってて得するミラーの基礎知識
知ってて得するミラーの基礎知識
ミラーの種類
ガラス製ミラー、ステンレス製ミラー、プラスチック製ミラー、ビニール製ミラーなどがあります。
ガラス製ミラーは、正確に映す力に富み価格も一番安価ですが、重いのと強い衝撃を加えると割れてしまいます。
ガラス製以外のミラーには、軽くて割れにくいという利点がある一方、映り方はガラス製ミラーには敵いません。
ガラス製ミラーの厚み
一般的なガラス製ミラーの厚みには次の種類があります。
5ミリ
4ミリ
3ミリ
2ミリ
薄板
厚みがあるほどゆがみも少なくなりますが必ずしも品質には直結しません。5ミリ厚ミラーと4ミリ厚ミラーとでは1ミリの差ですが映り方はほぼ互角です。 3ミリ厚ミラーは、手鏡や卓上鏡など比較的面積の小さい品に使います。軽くて持ち重りしないことと、顔を近づけて使う場面が多いのが理由です。逆にウォールミラーなど面積の広いミラーでは、ゆがみが目立ちますので不向きです。
2ミリ厚ミラーは拡大鏡で使用します。
薄板はとても特殊で化粧用コンパクトなどで使われています。
面取り加工について
面取りとはミラーの周囲を斜めに削って磨いた加工のことで、主な加工幅は次の通りです。
テーブルトップ仕上げ
幅は1ミリ程度の極細で磨き加工はしていません。
別名「糸面取り仕上げ」と言います。
取り付け面仕上げ
幅は2~3ミリで磨き加工をして仕上げています。
3ミリ厚ミラーは、この取り付け面仕上げまでなら加工が可能です。
三分面仕上げ
約9ミリ幅の加工で磨いて仕上げます。
ミラーに引き締まった印象と立体感を与えてくれる面幅です。
八分面仕上げ
約24ミリ幅の面取り加工で磨いて仕上げます。
フレームの掛かり幅が5ミリでも、約2センチ程度は面取りが見えますのでフレームミラーの時に用いる仕上げです。
ちなみに、面取り加工は昔式の尺貫法で呼んでいます。
ゆがみの原因
原因は、ミラー自体の品質不良とミラーのよじれによるゆがみとが考えられます。
ミラーのもととなるガラスは、珪砂という砂を高温で溶かして錫溶液の上に浮かべて板状にすることにより造られます。
価格を安くしようとすると、どうしてもこの製造過程が乱暴になり結果ガラスの表面にさざ波が生じてゆがんでしまいます。
ミラー自体に品質不良がなくても、ミラーがフレームや壁のよじれに負けてしまうとゆがみが生じます。
ミラーの品質
ミラーの品質は映り方と耐久性で決まります。
映り方の品質については、「ゆがみの原因」で説明した通りです。
ミラーはガラス板に硝酸銀メッキを施したものですが、ただメッキした状態ではすぐにはがれててしまうのでコーティング加工をします。耐久性はこのメッキとコーティング加工によって決まりますが素人の方では見分けられないと思います。
ミラーの劣化
ミラーも長年月が経過すると劣化してしまいます。
劣化の速度は、使用環境や個体差により変わりますが目安は10年です。
黒い斑点ができたり靄がかかったような状態は劣化の証拠です。
ちなみに、イタリアでは敢えて劣化したようなミラーを使うことがありますが、アンティークという側面からは劣化したミラーも悪くはありません。
なお、劣化したミラーの修復はできません。
アンティークミラーを敢えて使用したイタリア製ウォールミラー
うろこ汚れ
うろこ汚れとは、水分が付着することによりガラス表面が一種の化学反応を起こして劣化した状態のことです。
いろいろ掃除用具もあるようですが、やってもあまり効果はないと思いますので新しいものと交換することをおすすめします。
岡本鏡店ではミラー単体の製作も承っています。
お手入れの方法
ガラスクリーナーでお掃除して下さい。この時直接ミラー面にスプレーするのではなく、ふき布になじませるのがポイントです。
水拭きは、表面に水垢が残ってしまいますのでおすすめはできません。
インテリアとしてのミラーの効果
ミラーにはひとを映して使うという実用品としての側面と、空間に広がりを与えたり明るさの演出というインテリアとしての側面があります。
「大きなミラーは圧迫感があるのでは?」とたまに聞きますが、大きければ大きいほど反対側を映す面積が増えるので逆に開放感が得られます。
選び方のコツ
選ぶ際のコツは、先ずご自身がお持ちのミラーに対するイメージを捨てることです。先入観を捨てることにより広い視点で選べるようになります。
ふたつめは「少し派手かも、、」と感じるくらいのミラーを選ぶこと。ミラーは実に控え目でおとなしインテリアで、ほとんど自己主張をしないと言っても差し支えないほどです。ですから多少派手に感じてもすぐに空間になじんでしまいます。
最後は大きさ。取り付けられる空間させあればできるだけ大きいミラーを選ぶことです。空間に広がりと明るさを与えてくれますのでおすすめです。
取り付けにふさわしい場所
玄関は最も多くの方が希望される場所です。玄関を明るく広く演出することにより出入りの際に気分も揚がりますし身だしなみのチャックにも役立ちます。 その他、リビングや寝室、ウォークインクローゼット等もおすすめです。
日本では、昔ミラーに布をかけておく習慣があったせいか、常にものが映っている状態を恥ずかしく感じてしまう方が今でもいらっしゃいますが、先にも説明しました通りインテリアとしてのミラーの効果は絶大ですのでもっと楽しんでもらえればといつも願っています。
取り付けの方法
最近の建物は壁材に石膏ボードを使うことが一般的です。石膏ボードは難燃性ですので火災の際に燃えにくいという利点がありますがネジをねじ込んでもすぐに抜けてしまいます。でもそれなりに細工することにより取り付けは可能になります。
詳しくは、取り付け方アドバイスをご覧下さい。
取り付け方アドバイス
大きく映るミラー
大きく映るミラーのことを「拡大鏡」と言います。よくムシメガネやルーペと勘違いされる方がいらっしゃいますがこれらはガラスであり鏡ではありません。
平板のミラーをくぼませて凸側をメッキしてつくります。拡大鏡の品質はくぼませ方で決まります。雑につくると、くぼみがいびつになり焦点がまともに合わなくなります。
拡大鏡には拡大率があります。詳しくは拡大鏡のページで説明していますが、ネット通販商品の中には10倍とか20倍とかミラー専門店としては全くあり得ない倍率を謳っているものがありますので数字に騙されないようにお気を付け下さい。
ちなみに、岡本鏡店の拡大鏡は世界トップレベルの品質を誇っていますので多くのラグジュアリーホテルで採用されています。
商品写真をタップ、クリックして岡本鏡店の拡大鏡をご覧下さい。
ミラーの神秘性
人形などと同じように長年使って古くなったミラーの処分をためらう方は非常に多いようです。長年自分を映し続けてきたものに対し愛着と霊的なものを感じるからでしょう。 また、古来よりミラーが特別な「もの」であったことも事実で、神社のご神体になっていたり皇室に伝わる三種の神器の中にも鏡があったりします。このように日本人は鏡に対し特別な感情を潜在的に持っているのでしょう。
ミラーは割れ物でもありますので大切に扱いましょう。
風水鏡について
よく問い合わせがある「玄関に丸や八角形の鏡を吊ると家運や金運が上昇する云々...」といったことは現実的にはありえない話で、ただの迷信と言えるでしょう。ただし「信じるか信じないか」はご本人しだいですので、玄関に風水鏡と称するミラーを取付けられることに異を唱えるものではありません。しかし、ミラー専門店としては、販売者に風水の知識もなくまた信じてもいないのに、販売方法としてのみ「家運隆昌、金運上昇」を口実にしてはならない、と考えています。また逆説的には「家運がよく、金運のある人」は風水鏡など必要なく突き詰めて考えると人の不安心理に付け入る霊感商法の一種であるともいえるのではないでしょうか。以上の理由から、正直をモットーとする岡本鏡店では「風水鏡」と称する鏡は一切販売していません。